Introduction
CO2レーザーとは
歯科治療において、炭酸ガスレーザーは主に“抜糸”や“削る”といった用途に用いられます。その歴史は古く、すでに半世紀にわたって利用されています。
ただし、多くの歯科医で活用されてきたのはごく最近であり、レーザー研究の進化とともに炭酸ガスレーザーの有用性が高まってきています。
先述した“抜糸”や“削る”といった外科処理においての止血にも効果を発揮しています。さらに口内炎や歯周病といった歯肉の炎症の改善にも有用性が確認できています。
当院では、患者様の歯科治療における痛みの軽減や不快感を最小限にする治療を目指しています。そのための最新機器の導入や技術の習得に努めています。
そのために最新の歯科治療法として炭酸ガスレーザー治療を積極的に行っています。
Feature
CO2レーザーの特徴
炭酸ガスレーザーはそのほとんどが水分に吸収される性質を持っています。この性質を用いてCO2レーザー治療を行っているため、レーザーの影響が深部に達することはありません。
水分に吸収されることですぐに熱エネルギーへと変換されます。そのため、出血を伴わない切開手術を可能としているのです。
CO2レーザー治療の特徴を以下にまとめてみました。
CO2レーザー治療の特徴を
以下にまとめてみました。
治癒が早い
CO2レーザー光の効果で患部の細胞や組織が活性化されます。それによって傷口の早期回復が望めます。
痛みを和らげる
施術のスピード化や患部を温めることで術後の痛みを和らげる効果が期待できます。
殺菌消毒
殺菌効果があるので抜糸後の歯茎の腫れの緩和にも効果があります。
止血
CO2レーザーの特性として血液を固めてくれるので止血におおいに役だっています。
Merit
CO2レーザーのメリット
痛みが少ない、止血に優れるなどCO2レーザー治療には多くのメリットがあります。
以下、様々なメリットについてご紹介します。
歯周病の治療
歯周病治療の目的は、歯肉がしっかりと歯の根に付着している健康的な状態にすることにあります。歯と歯肉の間に歯石が溜まってくると、歯と歯肉が付着しにくい状態になります。
さらに、歯肉の奥に最近が侵入し、これが歯周病の大きな原因となるのです。歯周病が重症化すると、歯肉をメスなどで切開し、その中にある歯石を除去しなくてはいけません。
一般的に切開が必要な施術は手術となるので、麻酔なども行うような大がかりなものとなります。その点、CO2レーザー治療であれば、切開することなく患部にレーザー照射するだけで、細菌を死滅(減少)させることができます。
それによって、歯肉の血行が促進され、結果的に健康的で引き締まった歯肉の状態に戻します。
口内炎・噛み傷の治療
口内炎もCO2レーザー治療で対応しています。口内炎は様々な原因で起こります。
特に多いのが舌を噛んだときの傷によって起こる口内炎ですが、入れ歯がずれたときに起こる傷も口内炎の大きな原因となります。
様々な原因によって起こる口内炎ですので、CO2レーザーによる治療についても細心の注意が求められます。
知覚過敏
冷たいものを口に含むと歯が染みることがあります。多くの場合、これは知覚過敏によるものです。
原因としては歯磨きのしすぎで歯の根元が露出、あるいは歯肉がすり減って衰退することが原因となります。
通常の治療であれば、歯にコーティングをすることで歯を保護するのですが、一過性の治療なので、再発することが多く定期的な治療が必要となります。CO2治療であれば神経を沈静化させ、知覚過敏を緩めることができるので、有効な治療法として多用されています。
色素沈着の除去
歯肉が色素沈着を起こして、黒っぽくなったり紫っぽくなったりすることがあります。メラニン色素が歯肉に沈着して起こる症状ですが、見た目にも不健康なのでできるだけ素早い対応が望まれます。
色素沈着の除去にもCO2レーザー治療が対応しています。痛みはありませんし、もちろん麻酔をすることもなく色素の除去ができるのが特徴です。
抜歯を伴う治療
親知らずを抜く場合は、歯茎を切開することが多くなります。その場合は、止血対策が必要となるのですが、止血にはCO2レーザーが特に有効です。
同時に殺菌効果もあるので、衛生的に抜糸を行うことができます。結果として、術後の回復が早く、痛みもないので鎮痛剤を使用することがありません。
患者さんへの負担も最小限に抑えることができます。
時間の経過とともに親知らずの抜歯は困難になるので、歯科医院での速やかな治療をおすすめします。
Demerit
CO2レーザーのデメリット
メリットいっぱいのCO2レーザー治療ですが、デメリットもあります。ただし、CO2レーザーそのもののデメリットというよりも、治療にどう活用するかといった部分に関わってくる問題です。
レーザー光は使用する際、とても高温になるので、取り扱いが非常に難しいものです。また、全ての部分にCO2レーザー治療を行ったら良いというものではなく、部位によっては非常にデリケートな場合もあります。
そのため、CO2レーザー機器本来の性能を熟知し、長所を良く知ったうえで適切に使用する必要があります。
また、患者さんの患部の状態によっては使用できないこともあるので、慎重に判断する必要があります。